なぜWh(ワットアワー)を知る必要があるの?
飛行機にモバイルバッテリーを持ち込む際、航空会社が基準にしているのはWh(ワットアワー)という単位です。しかし、多くのモバイルバッテリーのパッケージには「20,000mAh」のようにmAh(ミリアンペアアワー)しか書かれていません。
Whがわかれば、持ち込みOKかNGかがすぐに判定できます。100Wh以下なら申告不要で持ち込みOK、100〜160Whなら申告が必要、160Wh超は持ち込み不可です。
mAhからWhへの計算方法
計算式はとてもシンプルです。
Wh = mAh × V ÷ 1000
V(ボルト)は定格電圧のことで、一般的なモバイルバッテリーは3.7Vです。バッテリー本体に電圧の記載がない場合は3.7Vで計算して問題ありません。
計算例
10,000mAhのバッテリー
10,000 × 3.7 ÷ 1,000 = 37Wh → 持ち込みOK
20,000mAhのバッテリー
20,000 × 3.7 ÷ 1,000 = 74Wh → 持ち込みOK
27,000mAhのバッテリー(3.7V)
27,000 × 3.7 ÷ 1,000 = 99.9Wh → ギリギリ持ち込みOK
30,000mAhのバッテリー
30,000 × 3.7 ÷ 1,000 = 111Wh → 申告が必要
💡 暗算のコツ:3.7Vの場合、mAhの数値を「約270で割る」とざっくりしたWhがわかります。27,000mAh ÷ 270 ≒ 100Wh。
バッテリー本体でWhを確認する方法
ステップ1: バッテリー本体の裏面・側面を見る
多くのモバイルバッテリーには、本体の裏面や側面の小さな文字でスペックが印刷されています。「Wh」や「ワットアワー」の記載を探してください。
ステップ2: 記載パターンを確認
以下のいずれかのパターンで記載されていることが多いです。
パターンA(Whが直接記載)
定格容量: 74Wh / 20000mAh 3.7V
パターンB(mAhと電圧のみ)
Battery: 3.7V 20000mAh → 計算が必要
パターンC(出力電圧のみ記載 — 注意)
Output: 5V/3A 20000mAh → 計算には3.7Vを使う(5Vは出力電圧)
⚠️ 注意:「5V」はUSB出力の電圧であり、バッテリーの定格電圧(3.7V)ではありません。Whの計算には必ず定格電圧(通常3.7V)を使ってください。
人気モバイルバッテリーのWh早見表
よく売れているモバイルバッテリーの容量をWhに換算しました(定格電圧3.7V)。
| 容量(mAh) | Wh(3.7V) | 持ち込み判定 |
|---|---|---|
| 5,000 | 18.5 | OK |
| 10,000 | 37.0 | OK |
| 15,000 | 55.5 | OK |
| 20,000 | 74.0 | OK |
| 25,000 | 92.5 | OK |
| 26,800 | 99.2 | OK(ギリギリ) |
| 27,028 | 100.0 | 要申告 |
| 30,000 | 111.0 | 要申告 |
| 40,000 | 148.0 | 要申告 |
| 43,244 | 160.0 | 要申告(上限) |
| 50,000 | 185.0 | 持ち込み不可 |
💡 ポイント:市販のモバイルバッテリーの大半は20,000mAh(74Wh)以下なので、ほとんどの場合は問題なく持ち込めます。ただし、2026年4月24日からは2個までの制限があります。新ルールの詳細はこちら →
そもそもWhとmAhは何が違う?
mAh(ミリアンペアアワー)は「電荷の量」を表す単位です。簡単に言えば「どれだけの電流を、どれだけの時間流せるか」を示しています。1000mAhなら、1000mA(1A)の電流を1時間流せる容量です。
Wh(ワットアワー)は「エネルギーの量」を表す単位です。電圧も考慮したもので、「実際にどれだけのエネルギーが蓄えられているか」を正確に示します。
航空会社がWhを基準にする理由は、同じmAhでも電圧が違えばエネルギー量が異なるからです。電圧が高いほど、同じmAhでもより多くのエネルギーを持ちます。Whはこの違いを正しく反映できる単位なのです。